【最初で最後の】

 3月25日、26日に茨城県水戸市で開催された「文部科学大臣杯第64回全国選抜少年剣道錬成大会」に出場してきました。この大会は長い歴史がありますが、コロナ禍のためここ三年は中止となっていたため、実に四年ぶりの開催です。北は北海道、南は九州までの341チームの小学生が会場のアダストリアみとアリーナに大集結です。
 
 山城からは5人の小学6年生が出場。1回戦は茨城県のチームを破り見事勝利。先鋒がきっちり役割を果たし、勢いに乗せてくれたのでチームが一瞬で活気付いたように見えました。先鋒の良い試合展開が如何に後の選手たちを引っ張っていくかを改めて実感しました。カンちゃん、いいスタートをありがとう!
 
 2回戦では兵庫県の強豪チームと対戦。相手選手は多彩な技と機敏な足を使ってこちらを揺さぶってきます。そのせいかみんなはすっかり相手のペースにはまってしまい、思うような剣道をさせてもらえないまま見事な完敗っぷりでした。勉強させていただきました。それでも全国体会と銘打っている大会で一勝できたことは嬉しかったし、いい経験になったことは確かです。
 
 コロナの蔓延のため県外遠征は殆どなくなり、ましてや全国大会に出場する機会もこれまでなかったので、小学6年生の選手達にとっては、この大会が小学校生活において最初で最後の全国大会となったのでした。

 長い時間バスに揺られ、宿に着いて一緒に食事をし、お風呂に入り、同じ部屋で布団を並べて眠る。翌朝、同じ時間に目を覚まし、一台のバスに乗って会場に向かい試合に臨む。こんなふうに同じ時間を共有し同じ目標に向かった経験はその瞬間だけではなく、この先子供達の絆をより強固にしていくことでしょう。

 低学年の時に剣道を始めた5人の子供たちは誰一人欠けることなくもうすぐ中学校に入学します。小ちゃくて可愛かったみんなが試合会場に向かう後ろ姿を見てたら、なんだか随分と逞しくなったなぁと感じました。コロナのせいで不自由や制限を強いられることが多かったけど、子供たちの心身の成長はコロナなんかに負けてはいないのです。
 
 今回は有観客で開催されたため、最小限ではありましたが父兄の入場が許されたので子供たちの試合を生で応援できました。久しぶりということもあって、私も大興奮。聞こえるわけはないけど2階の観客席から「頑張れ~!!」と言いながらカメラを構えました。でもあとで見てみると記録されていたのは、天井か、もしくは面のてっぺん辺りが見え隠れする動画、それと私の叫び声だけでした・・・。ちょっと力みすぎてカメラはずっと上を向いていたようです(笑)

 それでもこうして子供たちと一緒に県外に出かけ、応援する楽しみをもらえたので試合は負けてしまったけど、小学校の最後をいい気持ちで締めくくることができたような気がします。
 さぁ、いよいよ中学生だぞ。もっともっと頑張って、もっともっと勝つ喜びを仲間と分かち合っていこう!!